ブレスト会議は、創造的なアイデアを生み出すために、複数人で自由に意見を出し合うものです。しかしブレスト会議を開いても「発言者が偏る」「アイデアが出ない」「雑談で終わる」といった悩みにつながるケースは少なくありません。
ブレスト会議で成果を出すには、当日の進行だけでなく、テーマ設定や参加者選定などの事前準備が欠かせません。
本記事では、ブレスト会議の基本ルールを押さえたうえで、効果的な進め方を紹介します。
ブレスト会議とは
ブレスト会議は「ブレインストーミング会議」の略称で、特定のテーマについて参加者が意見やアイデア出しを自由に行うものです。短時間で多様なアイデアを集め、既存の案を発展させる目的があります。
ブレスト会議では、発案内容の評価や結論は後回しとして発想の量を重視します。突飛な案も歓迎する形式のため、他者の意見に刺激を受けて次々に新しい発想が生まれる点が特性です。
商品企画や業務改善、マーケティング施策などで用いられており、発想の幅を広げたい場合に広く活用されています。
一般的な会議との違い
一般的な会議では、情報共有や議論、意思決定を目的とすることが多く、発言の実現性や妥当性も検討されます。
一方、ブレスト会議は、できるだけ多くのアイデアを出し、選択肢を広げることが主な目的です。そのため、アイデアを出す段階では批判や評価を行わず、自由な発想を促すことが大切です。
ブレスト会議のルール
ブレスト会議の目的は、多種多様なアイデア・意見を募ることです。この目的を実現させるには、以下に挙げる4つのルールを参加者が守る必要があります。
ブレスト会議のルール
- 他人のアイデア・意見への批判禁止
- これまでにない型破りな発想も歓迎
- 質よりも量を重視
- 他人の意見との結合・発展
これらのルールを守ることが、参加者が委縮せず自由にアイデア・意見を出せる環境づくりにつながります。ブレスト会議を始める前に、これらのルールを全体に確認しておけば、より活発な議論へと発展するでしょう。
ブレスト会議の進め方【7ステップ】
ブレスト会議では、アイデア・意見の量が重要となるため、より多くの発想が募れるように進め方を押さえておきたいところです。
ここからは、ブレスト会議の進め方を7つのステップに分けて紹介します。
関連記事:成果を出す会議の進め方と司会のコツ
ステップ①会議の目的とテーマを確認する
まずは、会議中に参加者の意見をまとめたり発言を促したりする「ファシリテーター」を決めます。そのうえで、会議の目的と求めるアイデアを明確にしましょう。
ブレスト会議を行う目的によって、参加者や会議の進め方が異なるためです。
たとえば、「業務変革のためのアイデアを募集する」という目的の場合は、その業務に関連する社員を招集し、「事業全体の方向性を決める」という場合には、管理職の社員中心に会議を実施することになります。
目的やテーマを明確にしないまま会議を進行すると、脈絡のない会話が多くなり、収集がつかなくなる可能性があります。その会議で求める最適なアイデアを得るためには、事前の目的・テーマの確認が重要となるのです。
ステップ②基本ルールと時間配分を共有する
ブレスト会議開始時には、ファシリテーターが目的やテーマを再確認したうえで、「批判しない」「量を意識する」といった4つの基本ルールを改めて共有しましょう。
そのうえで、参加者が安心して意見を出せるような雰囲気づくりのために、必要に応じてアイスブレイクを取り入れることもおすすめです。
会議をより円滑に進めるために、時間配分も共有します。「アイデア出しは15分」「アイデアの整理に20分」といった具合です。時間を明確に設定しておくことで、散漫な議論を予防できます。
関連記事:会議時間とコストを削減する方法
ステップ③個人でアイデアを書き出す
続いて、実際にアイデアを募集します。この段階では意見の質よりも「量」を重視するため、どのようなアイデアでも歓迎する旨を伝えておきましょう。
なお、はじめから意見を募るのではなく、数分間は各自で考える時間を設けます。そのうえで、決められた時間内でできる限り意見を出し合います。
参加者に応じて、自由発言や順番発言などアイデア出しの方法は変えてみるとよいでしょう。
発言が得意な参加者の意見に、ほかの参加者が影響されることを防ぎ、隔てなく全員のアイデアを集めるためには、匿名での書き込みも方法の一つです。
20~30分の時間内でアイデアを出し切る制限を設け、時間が近くなったら「あと5分でアイデアを出し切りましょう」というように場を促すと、さらなる活性化につながります。
ステップ④アイデアを共有して見える化する
時間内で集まったアイデアは、全体に見えるようにホワイトボードや共有画面を使って記録しましょう。
ブレスト会議は質よりも量を重視するため、断片的なアイデアが複数出ることが予想されます。そのため、アイデアをグループ化しておくと、あとの振り返りに役立ちます。
また、発言内容は過度に要約せず、本人の表現をできる限り残したまま整理します。この段階ではまだアイデアに対する評価や議論は行いません。
関連記事:会議室レイアウトと人数別の配置
ステップ⑤アイデアを組み合わせて発展させる
一次的に整理したアイデアを確認しながら、そのアイデアに関連するアイデアや追加の案をさらに出していきます。「逆の発想だとどうなるか」「対象者を変えてみるとどうか」というように、さまざまな視点でアイデアをブラッシュアップしていきます。
また、「AとBのアイデアを組み合わせるとどうなるか」といった問いかけで、アイデアを発展されるのも有効です。
似ているアイデアと、複数のアイデアの長所を取り入れて、意見をうまく発展させていきましょう。
ステップ⑥アイデアを整理して優先順位をつける
アイデア出しと発展が終われば、内容の評価へと移っていきます。
改めて似ているアイデアたちをグループ化したうえで、有益なものを選定しましょう。
保留していた案や追加検討が必要な案も、必要に応じて記録しておきます。
整理したアイデアは、参加者内での投票や合意などの方法で評価します。なお、その際も否定的な意見は避けて、建設的な話し合いとすることが重要です。
有益なアイデアがまとまったら、続いてそれらに優先順位をつけます。
ステップ⑦次のアクションを決める
選ばれたアイデアは、業務にどのように落とし込んでいくのかを具体的なアクションへと進めていきます。
実装に向けては、「誰が・何を・いつまでに」行うのかを決めて、検証方法や次回の確認日も設定したうえで行動へと移しましょう。
ブレスト会議が単なる「アイデア出し」の場で終わらないように、出たアイデアを実装までプランを立てることが大切です。
ブレスト会議を成功させる3つのコツ
ブレスト会議の成果を高めるには、ファシリテーターが発想を広げる問いを用意し、参加者全員が意見を出せる仕組みを整えることが大切です。
ここでは、実践しやすい3つのコツを解説します。
ブレスト会議を成功させる3つのコツ
- ファシリテーターが問いかけを工夫する
- 全員が参加できる進行にする
- 発散と収束の時間を明確に分ける
ファシリテーターが問いかけを工夫する
ブレスト会議は自由に意見を出す場ではあるものの、時間が経てば意見が出づらくなることもあります。そのようなときに、ファシリテーターから発想が活性化するような問いかけを行うことが大切です。
たとえば、「ほかの業界であればどうか」「5倍の予算を確保できるならどうなるか」「対象者や場所、時間を変えてみてはどうか」といった提示が挙げられます。
現実的な制約から一度離れることで、既存の発想にとらわれないアイデアが出やすくなるでしょう。
全員が参加できる進行にする
ブレスト会議では、多様な意見を集めるために、全員が参加できる進行を意識する必要があります。自由発言だけにすると、発言に慣れている人や役職の高い人の意見に偏ることで、ほかの参加者が発言しにくくなる場合があるためです。
ファシリテーターは最初に個人で考える時間を設けたり、一人ずつ順番に発言したりするといった工夫を進行に取り入れるのが有効です。チャットや匿名投稿も併用すれば、発言のハードルが下がり、立場に左右されにくい意見を集めやすくなります。
発散と収束の時間を明確に分ける
ブレスト会議では、アイデアを出す「発散」と、出た案を整理・評価する「収束」を明確に分けることが大切です。
アイデアを出している最中に実現性や費用といった点を評価すると、参加者が発言を控えてしまいます。
前半は質より量を重視して案を広げ、後半で似た意見をまとめたり、優先度を整理したりしましょう。タイマーを使って工程ごとに時間を区切れば、議論が長引くのを防ぎ、会議の目的に沿って進行しやすくなります。
ブレスト会議がうまくいかない原因と対策
ここでは、ブレスト会議で起こりえる失敗とその原因、進め方を見直すための対策を解説します。繰り返しになる部分もありますが、最適なブレスト会議を実施できるよう以下の3つの項目を確認しておきましょう。
関連記事:会議を効率化して無駄をなくす方法
テーマが広すぎる
ブレスト会議で議論するテーマが広すぎると、参加者ごとに課題の捉え方が変わり、アイデアの方向性がまとまりにくくなります。
たとえば「売上を伸ばす方法」だけでは、商品改善や広告施策、営業方法といったように複数の論点が混在してしまいます。
適切な発想を促すためには、テーマに対する対象者や目的、期限、そして条件などをあらかじめ設定し、考える範囲を具体化することが大切です。
一部の人だけが発言している
ブレスト会議を自由発言だけで進めると、声の大きい人や発言に慣れている人に意見が偏る傾向があります。さらに役職の高い人が先に意見を出した場合、ほかの参加者がその内容に引っ張られ、本音や別の視点を出しにくくなるケースも考えられます。
参加者全員が発言できる場とするには、最初に個人で案を書き出す時間を設けたり、順番に発言してもらったりする方法を取り入れてみましょう。
チャットや匿名投稿も含めて、発言量の差を抑えながら幅広い意見を集められる方法を模索することが大切です。
アイデアを出しただけで終了している
ブレスト会議はアイデアを多く出すことが重要ですが、出しっぱなしで終わると実行にはつながりません。
「会議後に誰が何を進めるのか」が決まっていなければ、せっかく出た案も埋もれてしまいます。そのため、会議の終盤ではアイデアを分類し、実現可能性や優先度を確認する時間を設けましょう。
採用候補となる案については、担当者、確認事項、期限を決めておくことが大切です。次のアクションまで明確にすれば、ブレストの成果を具体的な施策へつなげやすくなるはずです。
オンラインでブレスト会議を進めるポイント
ブレスト会議は対面でなく、オンラインで開催するケースも増えてきています。
最後にオンラインでブレスト会議を進める場合のポイントを紹介します。
関連記事:ハイブリッド会議のメリット・デメリット
全員が同時に操作できるツールを使用する
オンラインのブレスト会議では、全員が同時に操作できるオンラインホワイトボードや共同編集資料を使うと、意見を集めやすくなります。口頭発言だけに頼ると、発言順を待つあいだにアイデアを忘れたり、発言しにくい人の意見が埋もれたりする場合があります。
事前にログイン方法や基本操作を案内し、当日は付箋やチャットにも意見を書き込めるように準備しておきましょう。複数の入力手段を用意することで、参加者全員のアイデアを見えるかたちで残すことができます。
発言と書き込みのルールを決める
オンラインでブレスト会議を進める際は、発言と書き込みのルールを事前に決めておくことが大切です。
「発言したいときは挙手機能を使う」「付箋1枚につき1案を書く」「ほかの人の付箋を勝手に編集しない」など、基本ルールを明確にしておくと混乱を防げます。また、長時間の会議は集中力が続きにくいため、アイデア出しや整理、共有の時間を短く区切りましょう。
なお、会議後に追加案を書き込める期間を設ければ、当日発言できなかった参加者の意見も拾いやすくなるのでおすすめです。
ブレスト会議は4つのルールを徹底したうえで、安心して意見を出せる環境を整えることが重要
ブレスト会議を効果的に進めるには、目的やテーマを明確にしたうえで、参加者が安心して意見を出せる環境を整えることが重要です。
ファシリテーターは問いかけを工夫し、発言が偏らないように進行方法を調整する必要があります。また、アイデアを出す時間と整理・評価する時間を分け、最後に担当者や期限などの次のアクションまで決めておくことが大切です。
オンラインでブレスト会議を行う場合は、発言やアイデア共有の方法だけでなく、参加者がスムーズに会議へ参加できる環境を整えることも重要です。会議室や座席の利用状況を適切に管理し、会議に集中しやすい環境を整えることで、より円滑なコミュニケーションにつながります。
オフィスでの会議環境を効率的に管理したい場合は、Acallの「会議室予約システム」の活用もおすすめです。Acallでは、会議室や座席の予約・管理を一元化できるほか、会議の進行をサポートする機能も備えています。ブレスト会議をはじめとした社内ミーティングを、よりスムーズに運営するための環境づくりに活用できます。
関連記事:オフィス環境を改善する具体的なアイデア

