感染症拡大の予防するためにテレワークを主軸としていた風潮から、オフィスワークに切り替える企業も少しずつ増えてきています。
そのようななかで、「会議室が空いていない」という課題を抱える企業は少なくないでしょう。
そこで本記事では、会議室が不足する原因と解決策を紹介します。業務を円滑に進めるために仕組みづくりから見直したいとお考えの場合は、ぜひ参考にしてください。
会議室が不足する主な原因
会議室不足の背景には、部屋数だけでなく、予約方法や利用時間、設備といった複数の要因が関係しています。まずは自社の利用状況と照らし合わせながら、どこに問題があるのかを確認しましょう。
会議室が不足する主な原因
- 特定の部署や個人が独占しているため
- 特定の曜日や時間帯に利用者が集中しているため
- 会議室の広さが自社の規模に合っていないため
- 会議室の利用時間が守られていないため
- 不要な会議が多いため
- 空予約が多いため
- 会議室の設備に問題があるため
特定の部署や個人が独占しているため
一部の部署や従業員が会議室を長時間予約していると、ほかの従業員が予約できる枠は少なくなります。定例会議の予定を数か月先まで登録する、利用するか決まっていない段階で複数の部屋を仮押さえするといった運用も、会議室が不足する原因です。
予約の優先権が暗黙のうちに固定されないよう、全社員が同じ条件で利用できる状態を整えることが求められます。
特定の曜日や時間帯に利用者が集中しているため
会議室は曜日に限らず1日中均等に使われるわけではありません。出社日を合わせやすい火・水・木曜日や、取引先などの社外との予定を設定しやすい昼前後に予約が集中する傾向があります。
出社とリモートワークを組み合わせたハイブリットワークの場合、チームや組織内で顔を合わせる日が重なるため、会議室の需要に塊が生じやすいといえます。全曜日・時間帯に均等に集中していないからこそ、企業全体で見ると余裕があるように見える一方で、局所的に不足が生じるケースがあるのです。
参照元:XY Sense「Workplace Utilization Index」(2025〜2026年)
https://xysense.com/workplace-utilization-index/
Worklytics「2025 Benchmarks for Tech Firms」
https://www.worklytics.co/resources/2025-meeting-room-utilization-benchmarks-tech-firms
会議室の広さが自社の規模に合っていないため
会議室の数や広さが足りていても、利用人数が合っていなければ結果的に不足が生じます。
たとえば、2~4人での打ち合わせが多い企業で、大議室ばかり設けていると、小規模会議のたびに広い会議室が使われて必要な場面で大人数向けの空間を確保できません。
反対に、小会議室しかなければ、部門会議や研修の開催場所に困ってしまいます。リモートワークが増えた企業では、1人で参加するために複数人用の会議室が使われることもあるでしょう。
会議室の空きがないことで、共用のデスクを使う場合はスペースを譲り合う必要が生じ、会議資料が配りづらい、また読みづらいといった問題にもつながります。
関連記事:人数別に適した会議室レイアウト
会議室の利用時間が守られていないため
会議室が不足する原因には、予定時刻を過ぎても利用しつづけるケースも挙げられます。
予定時刻を過ぎても無断で延長すると、次の予約者は開始を遅らせるか、別の場所を探さなければなりません。会議室が空いたとしても、数分の延長で利用時間が短くなることは明白です。
開始が遅れた分だけ終了時刻も後ろ倒しになり、次の会議まで玉突き状態になるケースも考えられます。
予定時刻を超過した時点で声をかけることが一番ですが、経営会議や取引先を招いた会議などでは、外部から声をかけづらい場合もあるでしょう。
直接伝えづらい状況も考慮して、終了時刻を知らせる通知や早期チェックアウトの仕組みを整え、予約時間と実際の利用時間のずれを減らすといった対応が大切です。
不要な会議が多いため
目的や意思決定事項が曖昧なまま定例化した会議が多いと、本来は必要のない予約で会議室が埋まります。情報共有だけであれば、社内チャットや共有ドキュメントで代替できるケースもあるでしょう。
業務を円滑に進めるうえで会議は欠かせないものですが、すべての会議が必要なわけではありません。これまでの慣習や価値観などで、目的なく開催している会議がないかどうかを確認し、「会議室で行う必要がある会議はどれか」という視点で見極めることが重要です。
関連記事:不要な会議を減らして効率化する方法
空予約が多いため
会議室を運用するうえで、予約制での使用を取り入れている企業が多いでしょう。その場合に注意したいのが、仮予約や空予約の問題です。
会議室を使用するかどうかが定まっていない状態で、「念のため会議室を押さえておこう」という行為が常習化すると、本当に必要な会議で予約ができなくなります。
また、予約を取っている状態で、当日の突発対応や体調不良などで会議室を使わなくなること自体は起こり得るものです。その場合は、予約の変更が判明した時点でキャンセルする必要があります。予約時間を迎えても会議室が空室のままでは、予約した従業員に連絡をとる手間も生じます。
関連記事:空予約が起こすリスクと対策
会議室の設備に問題があるため
会議室の数が多くても、映像や音声が不安定な部屋、Wi-Fiがつながりにくい部屋は敬遠され、設備の整った会議室に予約が集中します。予約上は複数の空室があっても、実務で使える部屋が限られていれば、利用者は不足していると感じるでしょう。
特にオンライン参加者を含む会議では、マイクやスピーカー、カメラ、ディスプレイの使いやすさなどが会議室選びに影響します。空調や照明、防音性に問題がある場合も、長時間の会議には選ばれにくいでしょう。
会議室が不足している状況を放置するリスク
会議室を確保しにくい状態は、従業員の不便だけでなく、意思決定や商談、教育にも影響します。ここからは、会議室不足を放置した場合に想定される事業上のリスクを見ていきましょう。
会議室が不足している状況を放置するリスク
- 生産性が下がる
- ビジネスチャンスを逃す
- 情報漏えいにつながるおそれがある
- 人材育成が遅れる
生産性が下がる
仮予約や空予約などによって、予約者に連絡したり、別の場所へ移動したりといった行動が増えるほど、本来の業務に使える時間は減少します。必要なメンバーが集まれる枠を確保できず、意思決定や承認が後日に持ち越されれば、プロジェクト全体の進行も遅れかねません。
さらに、前の会議の延長や機器トラブルで開始が遅れると、限られた時間内で結論を急ぐことになり、議論の質にも影響します。
ビジネスチャンスを逃す
取引先との商談や重要な打ち合わせに適した会議室を確保できないと、日程調整に時間がかかり、提案や契約の機会を逃すおそれがあります。
会議室の空きがなければ会議の日程を決められず、打ち合わせが先延ばしになってしまい、契約機会を失うことも考えられるでしょう。
また、来訪当日に前の利用が長引いたことで会議室が空かず、取引先を待たせる事態も避けなければなりません。事前にオンライン商談へ切り替えたとしても、静かな個室や安定した通信環境がなければ、説明が途切れて十分な提案ができない場合があります。
情報漏えいにつながるおそれがある
会議室の空きが見つからない場合、オフィスの自席や廊下、カフェなどを利用する従業員も出てくるでしょう。しかし、こうした場で打ち合わせをすると、周囲に会話を聞かれる可能性があります。特に顧客情報や契約条件、人事評価、新規事業の内容などを扱う場合は、社内であっても参加者以外に情報が漏れない環境での実施が求められます。
また、オンライン会議を自席で行い、画面や音声の内容が周囲へ伝わるケースにも注意しなければなりません。社外の飲食店や共有スペースへ移動すれば、不特定多数の人に資料や会話の内容を見聞きされるリスクはさらに高まります。
人材育成が遅れる
会議室不足は、社内の人材育成をスムーズに進める際の障壁にもなります。社内研修や1on1、チーム内の振り返りを行う場所が確保できないと、育成施策が後回しになってしまうためです。
特に若手社員は、業務の進め方や判断基準を上司や先輩との対話を通じて学びます。会議室不足によって面談の頻度が下がると、疑問や悩みを相談するタイミングを逃し、自走できるまでに時間がかかる可能性があります。
周囲に聞かれたくない相談をオープンスペースで行うことは難しく、評価面談やキャリア面談の日程も遅れることにもつながるでしょう。
会議室不足の解決策
会議室不足の原因が把握できれば、費用や即効性、運用負荷を比較しながら対策を立てましょう。
最後に、会議室を不足している場合に有効な、3つの解決策を紹介します。
会議室の新設だけを前提とせず、既存の会議室を使いやすくする方法も含めて検討してみてください。
会議室不足の解決策
- 会議室を新設する
- 会議室を利用する際のルールを整える
- 会議室の管理システムを導入する
関連記事:会議室不足の解決策と管理方法
会議室を新設する
実利用率が高く、空予約や利用の偏りを改善しても不足が続く場合は、会議室の新設が有効です。ただし、単純に同じ広さの部屋を増やすのではなく、どの人数帯の予約が取りにくいのかを分析してから新設に踏み切りましょう。
たとえば、社内全体の傾向として小規模なWeb会議が多いなら個室ブースや小会議室を増やす、可動式の間仕切りを使って広さを変えられるようにするといった方法が挙げられます。
倉庫や使われていない応接室などの空きスペースがないかどうか、またレイアウト変更で対応できないかどうかを確認することも重要です。
増設後も利用状況を定期的に確認し、想定した人数や用途で使われているかを検証すると、同様のリスクを防げます。
関連記事:会議室稼働率を高めて空予約を減らす方法
会議室を利用する際のルールを整える
費用を抑えて会議室不足に取り組むなら、予約と利用に関するルールを明文化することが有効です。
「会議が中止になった時点でキャンセルする」「仮予約の保持期間を制限する」「参加人数に合う部屋を選ぶ」といった基準が挙げられます。
ほかにも、開始から一定時間利用されていない部屋は、ほかの従業員が使えるルールにするという方法もあります。会議室の需要が集中する時間帯は長時間予約を避け、定例会議を空いている曜日へ移すように促すといった対応も、ピークの緩和につながる手です。
ただし、規則を明文化しただけでは定着は見込めません。定めたルールが形骸化しないためにも、予約画面や会議室入口に簡潔な案内を表示するといった工夫が求められます。
こうした規則が守られるためにも、予約やキャンセルが簡単に行える仕組みを同時に整えましょう。
関連記事:会議室の行動データを分析する方法
会議室の環境を改善する
一部の会議室に利用が偏っている場合は、使用頻度が低い会議室の環境を点検しましょう。
会議室内の音声が聞き取りにくい、また接続ケーブルが不足しているといった問題がある場合は、これらを解消すれば予約先の分散が期待できます。
また、短時間の打ち合わせにはオープンスペース、1人のWeb会議には防音ブースを使うなど、目的別に場所を選べる環境を整えることも効果的です。予約者が設備内容を事前に確認できるよう、収容人数や設置機器を予約画面へ表示すると、会議室の選び間違いも防げるはずです。
すべての部屋を高機能にすることは現実的ではないため、利用目的を定めて必要な設備を配置しましょう。
関連記事:オフィス環境を改善する具体的なアイデア
会議室の管理システムを導入する
数は変えずに、会議室の不足を改善する場合には、予約状況と実際の利用状況を一元的に把握できる管理システムの導入がおすすめです。
関連記事:会議室の利用状況を可視化する方法
会議室前の端末などでチェックインし、利用開始が一定時間確認できない予約を自動キャンセルできれば、空予約を減らせるでしょう。また、早く終了した際にチェックアウトして残り時間を開放すれば、残った時間で別の利用者が有効活用できます。空室を会議室前の端末で検索・予約できれば、別のフロアを歩いて探す手間も抑えられるでしょう。
管理システムを活用すれば、曜日・時間帯・部屋・利用人数ごとのデータを蓄積できるため、ルール変更や増設の判断を実績に基づいて行えます。
利用者が新しいシステムをスムーズに活用するためには、導入後の周知や運用支援が重要です。
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会議室不足は空・仮予約や設備の不備などによって起こる
会議室が不足を放置すると、会議室を探す時間が増えて生産性が下がるほか、商談の遅延や情報漏えい、人材育成の停滞につながるおそれもあります。まずは予約状況と実利用を照らし合わせてルールや設備を見直したうえで、会議室の新設や管理システムの導入を検討することが大切です。
「会議室不足を感覚ではなく、データに基づいて改善したい」とお考えの場合は、 Acallの「会議室予約システム」 の導入をご検討ください。Acallは、会議室の予約やチェックイン、利用データの可視化を通じて、空予約や利用の偏りを把握できるシステムです。限られたオフィス空間を有効活用し、必要なときに会議室を使える環境づくりにつながります。
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