フリーアドレスを導入したものの、出社する人が増えて席が足りない事態に悩むケースは少なくありません。
座席が不足すると、社員が席探しに手間取るだけでなく、人間関係の悪化や業務効率の低下につながるおそれがあります。
本記事では、フリーアドレスで席が足りない問題の原因と、放置で生じる問題点を解説します。
適正な座席数を決める手順や、環境を改善するための方法もお伝えしますので、参考にしてください。
フリーアドレスで席が足りない問題が起きる原因
座席が不足する根本的な要因を把握することは、適切な対策を打つための前提となります。
席不足が起きやすい原因は、おもに以下の4つです。
- 出社する人数の予測を見誤っている
- 一部の人や荷物が座席を占有している
- 在宅勤務の環境整備が遅れ出社に偏っている
- 運用のための決まりごとが不足している
自社の状況と照らし合わせながら、該当する箇所がないか確認しましょう。
出社する人数の予測を見誤っている
事前に想定していたよりも多くの社員が出社していると、フリーアドレスで席が足りないという深刻な事態を引き起こします。
制度を導入した当初と現在とで、働き方の実態が変わっているケースは少なくありません。
たとえば、出社回帰の動きが強まることで、オフィスで働く人の割合が急増し、当初の計画どおりには運用できなくなることがあります。
特定の曜日や時期によって出社率が変動する場合も、ピーク時の人数を見落とす原因です。
定期的に社員の動きを記録し、実態にあった正確な見積もりをやり直すことが求められます。
一部の人や荷物が座席を占有している
特定の社員が長時間同じ場所を使い続けたり、私物を置いたままにしたりすると、ほかの人が座れなくなります。
自由に場所を選べるはずの制度が形骸化し、実質的な固定席のように扱われている状況です。
朝早くに出社した人がお気に入りの場所を確保し、一時的に離席する際も荷物を置いたままにする行動が常態化すると、空席の数は減ります。
誰も座っていないのに使用中扱いの席が増えると、座席が全員に行き渡りません。
私物の放置を防ぐための決まりごとをし、全員が公平に使える環境を整えることが求められます。
在宅勤務の環境整備が遅れ出社に偏っている
自宅での業務環境が整っていない社員が多いと、自然とオフィスに出社する人の割合が高まります。
快適に働ける環境が会社にしか用意されていない場合、座席の取り合いが起きるのは避けられません。
たとえば、自宅の通信回線が不安定であったり、業務に集中できる専用の空間がなかったりすると、在宅勤務を選ぶ社員は減少する傾向にあります。
紙の書類を処理するためだけに出社しなければならない業務の進め方が残っていることも、座席不足の要因です。
働く場所を柔軟に選べるよう、在宅環境の支援や業務のデジタル化を進めましょう。
運用のための決まりごとが不足している
座席の使い方に関する基準がないと、社員それぞれの判断に委ねられ、混乱が生じやすくなります。
新しい働き方を導入しただけで細かい方針を定めていない場合、特定の場所に人が集中する事態を防げません。
誰がどの範囲を利用してよいのか、離席する際はどこまで荷物を片付けるべきかの基準が曖昧だと、一部の人が無意識のうちに多くの空間を占有してしまいます。
これは、全員が快適に過ごすための共通認識が欠けている状態です。
使い方に関する社内の決まりごとを策定し、全体に周知することが問題解決につながります。
席が足りない状態を放置して起こる問題
座席が不足している状況をそのままにしておくと、個人の不便さにとどまらず、組織全体にさまざまな悪影響を及ぼします。
具体的には、以下3つの深刻な問題が懸念されます。
- 業務の効率が落ちて生産性が低下する
- 社員同士の人間関係の悪化に発展する
- 会社に対する社員の満足度が下がる
マイナスの影響を防ぐためにも、現状を認識し、早急な改善に乗り出しましょう。
業務の効率が落ちて生産性が低下する
出社してもすぐに座る場所を見つけられないと、本来の業務に取りかかるまでに不要な時間が発生します。
毎日のように席を探し回る状況は、社員にとって負担です。
仕事をするスペースを確保できないまま立ち話をしたり、空席を待つためにカフェへ移動したりすると、集中力が途切れてしまいます。
さらに、チームのメンバーがどこにいるのか分からない状況では、ちょっとした相談や情報共有の手間も増えるでしょう。
こうした時間の積み重ねが、組織全体の生産性を引き下げる要因となります。
社員同士の人間関係の悪化に発展する
座席を奪い合うような環境が続くと、社員の間に不公平感や不満が募り、関係性がぎくしゃくしてしまいます。
たとえば、いつも同じ人がよい条件の席を占有していると、周囲から反感を買うかもしれません。
さらに、席を確保できなかった人が肩身の狭い思いをしたり、無理に隣に座ることで相手に圧迫感を与えたりするなど、不要な摩擦が生じやすくなります。
このようなストレスが蓄積すると、コミュニケーションの減少を招きかねません。
状況によっては、特定の社員が孤立を深めたり、チーム全体の結束力が失われたりするなど、組織運営に関わる問題に発展するおそれもあります。
会社に対する社員の満足度が下がる
快適に働くための環境が提供されていないと感じることは、会社への信頼や所属意識を低下させる要因になります。
出社するたびに席探しの苦労を強いられれば、会社に行くこと自体が嫌になってしまう社員も出てくるでしょう。
現場の不便さへの対応が十分でない状態が続くと、会社に対する不信感はさらに強まります。
職場環境への不満が慢性化すると、働く意欲そのものが削がれてしまいます。
最終的には優秀な人材の離職を引き起こす原因にもなるため、社員の声を真摯に受け止めて改善に動くことが不可欠です。
フリーアドレスの適正な座席数を決める手順
快適な職場環境を取り戻すためには、自社に合った座席の数を見直す作業から始めるのが効果的です。
適正な座席数を導き出すには、以下3つの手順がおすすめです。
- 対象となる社員の人数を正確に把握する
- 全体の出社割合と曜日ごとの傾向を分析する
- 必要な座席の数を計算して配置する
現状を整理し、過不足のない環境作りを目指しましょう。
対象となる社員の人数を正確に把握する
まずは、座席を共有する対象となる社員の総数を数え上げることが基本です。
全社員が対象になるわけではなく、営業職や企画職など日によって働く場所が変わる人を軸に人数を割り出します。
一方で、専用の機材を扱う部署や、常にオフィスにいる事務職など、固定席を維持するべき人は計算から除外しなければなりません。
雇用形態の変更や部署の異動によって対象者が毎月変動することも珍しくないため、最新の人事情報をもとに確認を進めましょう。
誰が対象なのかを明確に区切ることが、正確な見積もりを出す土台となります。
全体の出社割合と曜日ごとの傾向を分析する
対象者の人数が確定したら、実際にオフィスへ出社している人の割合を算出します。
1ヶ月間ほどの入退館記録や勤怠データなどを参照し、全体の何割が出社しているかを数字で把握する作業です。
あわせて、特定の曜日に人が偏っていないかも分析しましょう。
たとえば、月曜日や金曜日は在宅勤務が多く、週の半ばに出社が集中するといった傾向が見えてくるはずです。
平均値だけを見て判断すると混雑する日の実態を見落としてしまうため、曜日ごとのばらつきまで詳細に確認し、実態に即した数値を導き出します。
必要な座席の数を計算して配置する
把握した対象者の人数と出社割合をもとに、実際に設置する座席の数を計算します。
一般的な計算式としては、対象人数に出社率をかけ合わせ、そこに少しの余裕を持たせた数を設定するのが定石です。
たとえば、対象者が100人で最大出社率が7割であれば、急な出社に対応できるよう75〜80席ほどを用意します。
ギリギリの数にしてしまうと、少しでも予測を上回ったときに再び席が足りなくなるため注意してください。
計算して導き出した座席数をオフィス内の図面に落とし込み、無理のない配置になるよう調整を進めます。
フリーアドレスの席が足りない問題を解消する方法
座席の数を見直すだけでは、すべての問題が解決するわけではありません。
現状の課題を乗り越えるための改善策として、以下5つを紹介します。
- 空間の見通しをよくして空席を探しやすくする
- 部署ごとのおおまかな座席場所を設定する
- 座席を前もって予約できる仕組みを導入する
- 利用状況を数字で把握して配置を改善する
- 働く時間や場所を自由に選べる制度を整備する
自社の状況に合わせて、できそうなものから取り入れてみましょう。
空間の見通しをよくして空席を探しやすくする
オフィス内の視認性を高めることで、どこに空席があるのかを一目で分かるようにする物理的な対策です。
背の高い書庫やパーテーションが多いと、歩き回らないと空いている場所を見つけられません。
視線を遮る家具を撤去したり、背の低い収納棚に変更したりすることで、フロア全体の様子を見渡しやすくなります。
遠くからでも人の配置が分かるようになれば、空席を探す無駄な時間を減らすことが可能です。
圧迫感も軽減されるため、社員同士のコミュニケーションが自然に生まれやすくなるでしょう。
部署ごとのおおまかな座席場所を設定する
完全な自由席にするのではなく、部署やチームごとに座るおおまかなエリアを指定する手法も有効です。
この仕組みを取り入れると、同じ部署の人が自然と集まるため、業務上の相談や連携がスムーズに進みます。
広いフロアから自由に選ぶよりも選択肢が適度に絞られるため、毎朝どこに座るか迷うストレスを軽減できます。
誰がどのあたりにいるのかが予測しやすくなり、ほかの部署とのやり取りも円滑になるのが特徴です。
完全な自由席が自社に合わないと感じる場合は、この形への移行を検討してみましょう。
座席を前もって予約できる仕組みを導入する
出社前に自分が座る場所を確保できる座席予約の仕組みを取り入れることで、朝の混乱を防げます。
スマホなどから専用画面にアクセスし、空いている座席を選んで予約する運用方法です。
この際、一定時間チェックインされない場合は自動キャンセルされる機能を併用すれば、カラ予約も防げます。
席がない不安がなくなり、画面上で居場所も共有できるため、人探しの手間も省けます。
アナログな管理に限界を感じている場合は、デジタルツールを活用した予約の仕組み化が解決の糸口になるでしょう。
利用状況を数字で把握して配置を改善する
感覚ではなく、実際の利用データを集めてオフィスの使われ方を可視化し、継続的に配置を見直す取り組みです。
座席に専用の機器を設置したり、利用履歴を取得したりすることで、どの席が人気でどの席が使われていないのかがはっきりと分かります。
窓際や個室風の席はすぐに埋まる一方で、通路沿いの席は常に空いているといった偏りが数字として現れるはずです。
データをもとに不人気の席を快適な環境に作り変えたり、用途に合わせて机の種類を入れ替えたりすることで、無駄になっていた空間を有効に活用できます。
働く時間や場所を自由に選べる制度を整備する
座席の問題を解消するには、社員が分散して働けるような人事制度を整えることも欠かせません。
全員が同じ時間帯に出社して働くことを前提とせず、出社と在宅勤務を柔軟に組み合わせる制度の導入が効果的です。
出勤時間をずらせるフレックスタイムを取り入れれば、朝の混雑のピークを分散できます。
サテライトオフィスを利用できるようにするのも1つの選択肢です。
働く時間と場所の選択肢を広げることで、結果としてオフィスの座席不足を緩和し、社員全体の満足度を高められるでしょう。
まとめ:フリーアドレスの席不足を解消して働きやすい職場へ改善しよう
座席が足りない事態は、単なる不便さを超えて生産性や人間関係にまで悪影響を及ぼします。
自社の働き方に合った適正な座席数を計算し直し、運用方針や環境整備を進めることが大切です。
さらに解決を図るなら、Acallの活用がおすすめです。
パソコンやスマホから座席や会議室の予約ができ、チェックインと連動して利用状況を把握できます。
空予約の自動キャンセル機能も備わっており、限られた座席を無駄なく活用できます。
働きやすい環境作りに、ぜひお役立てください。
