オフィスの移転は、単なる拠点の移動ではなく、社内の働き方を見直す絶好の機会です。
しかし、座席の管理や受付業務の非効率さに悩んでいても、具体的にどのような設備や仕組みを整えればよいか迷う場合は少なくありません。
本記事では、移転時に見直すべき設備の全体像や、柔軟な働き方を支える通信環境の構築手順を解説します。
現状の課題を解決し、新たな働き方を実現するための環境構築の参考にしてください。
オフィス移転時に見直すべき社内インフラの全体像
移転計画を立てる際は、業務を支える基盤としてどのような設備を整えるべきか把握することが求められます。
移転のタイミングで整備しておきたい3つの要素を紹介します。
- 電気や空調などの物理的な設備を整える
- 通信回線や社内配線を構築する
- 各種情報機器や防犯設備を移行する
これらを漏れなく計画に組み込むことで、移転後の業務を円滑に開始できます。
電気や空調などの物理的な設備を整える
快適な職場環境を作るうえで、照明や空調といった物理的な設備の設計は欠かせません。
電気容量の確認は、初期段階で行う作業の1つです。
新しい拠点で想定する人数のパソコンや各種機器を同時に稼働させても、問題がないか事前に確かめます。
あわせて、各座席のコンセント配置や水回りの状態も確認します。
これらの設備は建物の構造に依存するため、あとから変更しようとすると大がかりな工事に発展するかもしれません。
物件の選定段階から入念に確認し、余裕を持った設計を心がけましょう。
通信回線や社内配線を構築する
現代の業務において、安定した通信環境の構築は優先すべき項目です。
移転先の建物がどのような通信回線に対応しているか調べ、自社の規模に見合った契約を結び直す作業が発生します。
フロア内のどこに配線を巡らせるか、詳細な設計も並行して行います。
壁の内部や床下を通す配線は、座席の配置が確定してからでなければ正確な経路が決まりません。
配線が乱雑になると断線の原因になるため、専門業者と相談して安全な経路を確立しましょう。
繁忙期は開通に数ヶ月を要するケースもあるため、手続きは早期に進めることが大切です。
各種情報機器や防犯設備を移行する
現在使用している情報機器や防犯設備を、新しい拠点へ安全に移設する作業も伴います。
パソコンや印刷機などの精密機器は、運搬時の振動や衝撃で故障するリスクがあるため、専用の梱包材を用いて慎重に運ぶ段取りを整えましょう。
顧客情報を守るための防犯カメラや、入室を制限する電子錠などの移行計画もあわせて立てます。
これらの設備は、稼働を停止する時間を抑えなければなりません。
移転の前後で業務に支障が出ないよう、各機器の撤去と再設置のスケジュールを細かく決めておくことが求められます。
従来の職場環境で発生しやすい課題と解決の方向性
これまでと同じ設備のままでは、働き方の多様化に対応できず、さまざまな非効率が生じる可能性があります。
移転を機に見直すべき代表的な課題として、以下3つがあげられます。
- 固定席による空間の無駄遣いを解消する
- 受付や入館時における人的な負担を減らす
- 会議室の予約や運用に関する手間を省く
これらが解消されると、従業員は本来の業務により集中できます。
固定席による空間の無駄遣いを解消する
従業員ごとに専用の席を設ける従来の方式では、外出や休暇で不在の席が多くなり、空間を有効活用できない課題があります。
特定の部署だけで席が不足したり、反対に余ってしまったりと、人員の増減に柔軟に対応しにくい側面も否めません。
この問題を解決するため、移転を機に座席を固定しない働き方へ移行する企業が増えています。
誰がどの席を使っても業務を進められる仕組みを整えることで、不要な空間を減らして賃料の削減が可能です。
余った空間を、従業員同士の交流の場として活用するのもよいでしょう。
受付や入館時における人的な負担を減らす
来客のたびに担当者が電話を受け、該当の従業員を呼び出す従来の受付体制は、対応する人の作業を何度も中断させます。
入退館の記録を紙の台帳で管理している場合、手作業による記入漏れが発生しやすく、防犯上のリスクも高まります。
こうした人的な負担をなくすためには、来客を自動で案内する仕組みや、電子的な記録による管理体制の導入が有効です。
取り次ぎにかかる時間を減らせるだけでなく、誰がいつ入館したかを把握できるため、社内の安全性と業務効率の両方を高められるでしょう。
会議室の予約や運用に関する手間を省く
社内の会議室を運用する際、予約の重複や「予約されているのに誰も使っていない」という空予約の問題が頻発しがちです。
都度パソコンを開いて空き状況を確認したり、時間変更のたびに担当者へ連絡したりする作業は、見えない負担として蓄積されます。
この手間を省くために、直感的な操作で予約できるツールの導入や、利用実態を自動で把握する仕組みの構築が求められます。
実際に使われていない会議室を自動で解放する設定を取り入れれば、限られた空間を全員で無駄なく共有でき、スムーズな会議の進行を支援できるでしょう。
柔軟な働き方を実現するインフラ環境を構築する方法
課題を乗り越え、従業員が場所にとらわれず快適に働けるようにするには、具体的な設備の刷新が求められます。
新たな環境を構築するための方法を、以下4つお伝えします。
- 自由な座席配置を支える通信環境を構築する
- 来客対応を自動化する受付の仕組みを導入する
- 社外からでも内線を受けられる仕組みを整える
- 遠隔会議を円滑に進める専用空間を設ける
それぞれ見ていきましょう。
自由な座席配置を支える通信環境を構築する
従業員がその日の気分や業務内容にあわせて席を選べるようにするには、フロアのどこにいても安定してつながる無線通信の環境が欠かせません。
有線ケーブルに縛られない状態を作ることで、部署を越えた円滑なコミュニケーションを促せます。
誰がどの席に座っているかを一目で把握できる、座席管理ツールの導入もあわせて検討しましょう。
スマホやパソコンから座席を予約し、簡単に利用開始できる仕組みを整えれば、自由で生産性の高い働き方の定着につながります。
来客対応を自動化する受付の仕組みを導入する
エントランスにタブレット端末などを設置し、来客自身に操作してもらう受付の仕組みを取り入れる企業が増えています。
訪問者が画面上で担当者の名前を選択すると、直接チャットツールや専用アプリに通知が届く流れを構築するのが一般的です。
これにより、総務部門などの担当者が受付業務に割く負担を軽減できます。
事前に発行した受付用のコードを入館証として活用すれば、防犯ゲートとの連動も可能です。
受付から会議室への案内までを自動化することで、人的なミスを防ぎながら洗練された企業イメージを来客に与えられるでしょう。
社外からでも内線を受けられる仕組みを整える
従来の固定電話に頼った運用では、担当者が外出していると折り返しの対応が発生し、業務の進行が遅れます。
そこで注目されているのが、スマホを内線電話として活用できるクラウド型の電話システムです。
インターネット回線を利用するため、専用のアプリを入れるだけで、社外にいても会社の代表番号で発着信できます。
取り次ぎの手間が省けるだけでなく、個別の電話機や配線工事が不要になるというメリットもあります。
移転時の初期費用を抑えつつ、柔軟な顧客対応を実現する有効な手段です。
遠隔会議を円滑に進める専用空間を設ける
働き方が多様化する中で、取引先や在宅勤務の従業員とオンラインで会議を行う機会が増えています。
自席で参加すると周囲の話し声や雑音が入ってしまい、円滑な意思疎通が妨げられるため、周囲の音を遮断できる専用の空間作りが求められます。
移転先のレイアウトを設計する際は、1人用の防音ブースや少人数で使える小型会議室を複数設置するのがおすすめです。
専用のモニターや高音質なマイク、照明などを完備しておくことで、機材の準備にかかる時間を省略し、誰もが質の高い遠隔会議を始められるでしょう。
オフィス移転に伴うインフラ工事の具体的な手順
移転計画をスケジュールどおりに進めるためには、正しい順番で作業を進めることが大切です。
トラブルを防ぐために、以下4つの手順を解説します。
- 現状の課題を洗い出して要件を定義する
- 専門業者を選定して設計図を作成する
- 移転先での配線や機器の設置工事を実施する
- 移行直後に動作確認と運用試験を行う
詳しく見ていきましょう。
現状の課題を洗い出して要件を定義する
計画の初期段階では、現在のオフィスで従業員がどのような不満や要望を抱えているかを把握します。
各部署への聞き取りを実施し、通信速度の遅さや会議室の不足といった具体的な課題をリストアップしてください。
そのうえで、新しい拠点で実現したい働き方を思い描き、どのような仕組みを導入すべきかという要件を固めます。
この段階で方針が曖昧なままだと、あとから不要な設備を追加してしまい予算を超過するかもしれません。
導入する機能の優先順位を明確にし、予算の上限と照らし合わせながら計画を練り上げます。
専門業者を選定して設計図を作成する
求める環境の要件が固まったら、それを実現できる専門の施工業者を探します。
通信環境や電気設備、受付の仕組みなどを別々の業者に依頼すると、打ち合わせの手間が増えて連携ミスにつながるかもしれません。
すべての工程を一括して請け負ってくれる依頼先を選ぶのが理想的です。
業者を決定後、座席配置をもとに配線経路や機器の設置場所を記した設計図を作成します。
内装やネットワーク工事の手配は、移転の3〜5ヶ月前から始めるのが一般的です。
ここで動線のズレやコンセント不足を入念に確認し、トラブルを未然に防ぎましょう。
移転先での配線や機器の設置工事を実施する
新しいオフィスの内装工事が完了に近づいた段階で、実際のインフラ整備に取りかかります。
事前に作成した設計図に従って、床下や壁の内部に通信用のケーブルを張り巡らせ、電源を適切な位置へ配置します。
そのあと、通信機器や防犯用のカメラ、受付用の端末などを順次設置しましょう。
このとき、古いオフィスから運び込んだ機器を再利用する場合は、運搬と設置のタイミングを慎重に見極めなければなりません。
複数の業者が同じ空間で同時に作業することもあるため、全体の進行状況を統括して管理する担当者の存在が不可欠です。
移行直後に動作確認と運用試験を行う
機器の設置と配線が完了しても、すぐに通常の業務を開始できるわけではありません。
すべての設備が設計図のとおりに稼働するか、本番を想定した厳しい運用試験を実施します。
パソコンから印刷できるか、社内外と問題なく話せるか、新しい受付の仕組みが想定どおりに動くかなど、一つひとつの機能を細かく点検してください。
ここで設定の誤りや通信の不具合を発見できれば、業務が本格的に再開する前に対処できます。
試験期間には余裕を持たせ、万全の状態で従業員を迎え入れられるように最終調整を行いましょう。
最適なインフラ整備と「Acall」で新たな働き方を実現しよう
オフィス移転は、自社の働き方をよりよいものへと進化させる大切な転換期です。
通信環境の再構築や受付業務の見直しなど、さまざまな設備を適切に整備することで、従業員の生産性は高まります。
新しいオフィスで自由な座席配置やスムーズな来客対応を実現するなら、座席予約や受付の自動化をまとめて管理できる「Acall」の導入をご検討ください。
Acallは、各座席や会議室の予約・チェックインを一元管理できます。
使われないカラ予約の自動キャンセルや、状況のリアルタイム同期により、限られた空間を無駄なく活用できます。
iPad受付による入退館の自動化や、内線電話などの既存設備との連携も可能です。
日々のログをダッシュボードで分析し、自社に合ったオフィス環境を構築するため、ぜひ一度お問い合わせください。
