データ活用が後押しする、オフィス運用改善の次の一手


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国内外に商用車事業を展開するいすゞ自動車株式会社。横浜本社オフィスには約140室の会議室があり、社内外の打ち合わせや来客対応など、日々多くの会議が行われています。 「会議室をより効率的に活用したい」という社員の声をきっかけに始まった、会議室利用の実態把握。データをもとに運用改善を進めるなかで見えてきたのは、会議室の利用状況だけでなく、働き方やより良いオフィス運用につながる示唆でした。生成AIをはじめとする技術の進化により、データに基づく分析や対策検討の重要性はますます高まっています。今回は、その取り組みを主導してきたコーポレート管理部のご担当者様にお話を伺いました。
まずは、社内で確かめることから。
会議室の利用実態を把握するために、どのような取り組みをされていましたか。
きっかけは、会議室をより効率的に活用したいという社員からの声でした。会議室が不足しているように見える一方で、実際にどのような利用状況なのかを把握する必要がありました。
Acallの管理画面から会議室の利用データを取得し、Excelの関数やピボットテーブルを用いて、利用率やチェックイン状況などを分析しました。さらに、生成AIも活用しながら、データから読み取れる傾向や改善仮説を整理しました。感覚ではなく、客観的なデータをもとに実態を確認することで、改善に向けた議論がしやすくなりました。
実態把握を続ける難しさ
自分たちで分析を進めるなかで、どのような課題がありましたか。
最も大きな課題は、分析用の元データを整えることや、分析の前提となるデータの定義付けを行うことでした。
Acallからは24時間分のデータを取得できますが、実際に会議室が利用されるのは就業時間帯が中心です。そこで、「どの時間帯を分析対象にするのか」といったルールを試行錯誤しながら、自分たちで集計方法を決めていきました。また、会議室の区分や運用ルールが変わるたびに、集計方法の見直しも必要になります。
生成AIを活用すれば、データの傾向把握や仮説の整理、対策案の検討は効率化できます。一方で、客観的な事実に基づいて正しく分析するためには、前提となるデータの整理や定義付け、複数データの突き合わせが欠かせません。こうした土台づくりをより効率化し、AcallのデータとWeb会議端末の人数検知データを掛け合わせながら、多角的に会議室の利用実態を把握したいと考えていました。

会議室の前のAcall Meetingで予約や利用の状況が一目でわかる
改善のために時間を使う
Acallと一緒に取り組もうと思った決め手は何ですか。
決め手の一つは、データ整理や集計作業をより効率化し、継続的に活用できる分析基盤を整えられる点でした。
会議室の利用実態を把握するには、毎月のデータ整理や分析条件の確認が必要です。一方で、私たちが本来注力したいのは、分析結果をもとに会議室運用を改善していくことです。機械的に集計できる部分は仕組みに任せ、生成AIなども活用しながらデータから傾向や仮説を整理し、改善に向けた検討や施策に時間を使いたいと考えていました。単に分析作業を外部に任せるのではなく、客観的なデータを継続的に活用できる状態をつくることが重要だと考えました。
Acallからの提案内容が、当社の課題認識や取り組みの方向性と合致したため、一緒に取り組むことにしました。
データを重ねて見えてきたこと
データを見て、改めて分かったことはありましたか。
利用率などの基本的な数値は以前から社内で把握していたため、全体としてはおおむね想定通りでした。一方で、自動キャンセル率など、これまで十分に確認できていなかった視点のデータを把握できたことは、新しい発見でした。
有益だったのは、単一のデータだけでは捉えきれない利用実態が見えてきたことです。Acallのチェックインデータだけを見ると、利用が少ないように見える会議室もあります。しかし、Web会議端末の人数検知データと突き合わせることで、実際には利用されているケースや、時間帯や条件によっては、会議室の需要が高まる傾向を確認できました。
複数のデータを組み合わせることで、より実態に即した会議室利用の状況を把握できたと感じています。
会議室運用を変えた、データという共通言語
分析結果は、実際の運用改善にどのように活かされていますか。
大きな変化は、データを根拠に各部署と対話ができるようになったことです。
以前は、「会議室をもっと使いやすくしてほしい」「利用できる会議室を増やしてほしい」といった声に対して、感覚的な議論になりがちな面がありました。 分析結果を活用することで、「この会議室は利用状況に余裕があるため、一般利用の対象にできないか」といった具体的な提案ができるようになりました。データに基づく対話を重ねた結果、この1年で優先予約の対象だった会議室や専用会議室の見直しが進み、一部を一般会議室へ転換することができました。
運用ルールの浸透にも取り組まれたそうですね。
はい。会議室の構成を見直すだけではなく、適正な利用を促すための発信も継続しています。例えば、「専用会議室が減りました」と伝えるのではなく、「一般会議室が増えました」と伝えるなど、できるだけ前向きに受け取ってもらえるよう工夫しています。
また、社内ポータルサイトや執務室のデジタルサイネージを活用し、以下のような基本的なルールも継続的に発信しています。
- 使い終わったらチェックアウトする
- 利用しない予約は事前にキャンセルする
その結果、「1〜2名であればブースを利用する」「会議室は3名以上で利用する」といった使い分けも、少しずつ定着してきました。

会議室内のAcall Meetingでは残り時間の表示やドリンクオーダー機能を活用
会議室の使い方から、会議のあり方へ
1年間取り組んでみて、働き方やオフィスの使われ方に変化はありましたか。
会議室の構成見直しや運用ルールの発信を継続してきたことで、「会議室をどのように使うか」という意識は少しずつ定着してきたと感じています。
一方で、私たちが目指しているのは、単に会議室の利用率を上げることではありません。 「その会議は本当に1時間必要なのか」「本当に必要なメンバーだけが参加しているか」といった、会議そのもののあり方を見直すきっかけにもなっています。
もちろん、会議文化はすぐに変わるものではありません。それでも、データという共通の根拠があることで、運用改善に向けた議論を進めやすくなったと感じています。

会議室の前に並ぶ Acall Meeting
追いかけたいのは、“適正な”稼働率
今後、どのような数字や指標を見ていきたいですか。
稼働率という数字だけでは、会議室の利用実態を十分に捉えきれないと考えています。海外拠点との会議などにより、通常の就業時間外にも利用されるケースがあるため、分析対象とする時間帯や集計方法によっては、数値上の稼働率が実態より高く見える場合があります。だからこそ今後は、「どれだけ使われているか」だけでなく、「適切に使われているか」を見ていきたいと考えています。
例えば、1〜2人で大きな会議室を利用していないか、実際には利用されていないにもかかわらず予約だけが延長されていないか。こうした状況まで把握できれば、本当に必要な人が会議室を利用できる環境づくりにつながります。
分析を通じて、当社では特定のピーク時間に集中するのではなく、一日を通して会議室が利用されていることも見えてきました。今後は、生成AIなどの技術も活用しながら、実態に即した指標をもとに、より良い運用を目指していきたいと考えています。

会議室をより効率的に活用したいという課題意識から始まった今回の取り組み。データを活用して利用実態を把握し、客観的な事実に基づいて改善策を検討することは、会議室運用の改善だけでなく、働き方や会議のあり方を見直すきっかけにもなりました。
Acallは今後も、蓄積されたデータをオフィス改善・組織改善につなげるパートナーとして、お客様とともに歩んでまいります。本日は貴重なお話をありがとうございました。
